注文住宅の建設工事をはじめるにあたっては、無事に工事が行われることを願って地鎮祭が行われることが多いです。準備の大部分は工事を実施する施工会社で行ってくれますが、注文住宅の持ち主が地鎮祭の主催者となっている以上、儀式の一連の流れは頭に入れておく必要があります。地鎮祭は大規模な工事だと多数の関係者が出席し、大きな祭壇や出席者用の椅子、紅白幕などが用意される大掛かりなものになりますが、注文住宅の建設工事の際に行うものは比較的質素です。施主である住民購入者や施工会社の関係者、設計担当者など、主要な出席者は祭壇の前に立った状態で地鎮祭に臨みます。
地鎮祭は、神職が祭壇や参列者、土地を祓い清める修跋の儀から始まります。氏神様を祭壇へ招く降神の儀が終わると、神職がお供え物などを氏神様に献上する献饌、祈りの言葉が読み上げられる祝詞奏上、紙や米などを土地に撒いて清める四方祓いと進んでいきます。この次が地鎮祭において最も重要な儀式である鍬入れの儀で、建物の設計者が鎌で笹を刈り、施主は鍬で盛砂を掘り崩し、神職が鎮め物を砂の中に納めて、最後に施工者が鋤で盛砂を鎮め物にかけます。これが終わると玉串拝礼が始まり、撤饌、昇神の儀がおわると神職が現場を離れます。
最後に、参加者一同でお神酒をいただく直会とよばれる儀式が済めば地鎮祭は終了です。所要時間は、注文住宅の建設工事現場で行うものだと30分から1時間程度が一般的です。